実は技術云々ではなく、マンションの窓サッシは共用部にあたるため、お住まいの個人の方での交換作業は原則できません。マンションは区分所有法により、区分を決めてその所有権を明確にしています。また、多くのマンションの管理規約でも移住スペースである専有部分、その他の共有部分を明示しています。
共有部分は個人のリフォームなどで、勝手に手を加えることができません。リフォームする際は、12年~15年周期で行われるマンションの大規模修繕工事として補修されることになります。劣化具合や緊急度などにより、マンションの管理組合による予算調整が行われ、工事箇所が決められます。
「窓は住居スペースの一部だから専有部分なのでは?」と思われる方がいるかもしれませんが、区分所有法ではあくまでも「個人利用を認めている共有部分」という見解です。マンションの外観・構造に統一性を保つため、住人の勝手に変更することが出来ない様になっています。同様に、バルコニーや玄関ドア、専用庭も共用部ですのでリフォームを検討されている際は注意が必要です。
しかしながら、窓やサッシ部位はお住まいの部屋により劣化程度が変わり、他の部位と比較して優先度が低くなってしまう場合が多く、大規模修繕工事で交換できることは少ないです。
また鉄筋コンクリート(RC)造のマンションでは、サッシ枠ごと交換する場合は、窓周りのコンクリートを解体する必要があり、こちらもサッシ交換工事のハードルを上げる一因です。
窓ガラスだけ交換するという方法も選択肢としては考えられますが、窓のサッシ枠自体が歪んでしまっていると可動部分との間から隙間風が発生してしまい、お悩み解決から遠ざかってしまいます。
他にも、ペアガラスや二重サッシに交換しても、サッシ枠との隙間により結露が発生してしまうことがあります。この隙間があることで窓の防音性や断熱性が下がり、新たな問題を生み出してしまうマイナスなリフォームです。